わたしたちのあゆみ
本質の追求、挑戦
それが NICHIAのすべて
1956創業
創業者の小川信雄は徳島高等工業学校(現徳島大学)で製薬化学部を卒業しました。終戦後、郷土徳島を復興させたいとの強い想いで、NICHIAの前身である協同医薬研究所を設立。地元・徳島で産出されるカルシウムが主成分の石灰石を利用して、結核の治療薬ストレプトマイシンの原料である無水塩化カルシウムの生産方法を確立させました。次いで、医薬品原料と同等の品質を保ちながら、蛍光灯用の蛍光体の原料となる無水リン酸カルシウムの製法を開発し化学工業への道に進みだしました。これを機に1956年、「日亜化学工業株式会社」を設立し、新たな船出をしました。
1966世界一の蛍光体メーカーを目指して
主力製品であった蛍光体原料を発展させ、蛍光体そのものとなる蛍光灯用のハロリン酸カルシウムの製造を開始しました。今持っている技術を応用し、新たな製品へと発展させるNICHIAの社風はこの頃から始まっており、今に受け継がれています。
1970カラーテレビ用蛍光体への応用
高度経済成長の中、カラーテレビが普及してきました。蛍光灯用蛍光体の製造技術を応用し、カラーテレビ用の蛍光体の生産・販売を開始。色と光に関する様々な知見が増えてきました。
1983新たな事業に向けて
主力であった蛍光体に続く、新たな製品を探すべく、様々な事にチャレンジをしました。
1983年、赤外線LEDとなるGaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)のエピウエハの製造、販売を開始し、光半導体事業の幕開けとなります。
1989年にはMOCVD (Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置の一号機を設置し、青色LEDへの第一歩となる窒化ガリウム系LEDの研究を開始しました。
1991年にはリチウムイオン二次電池用正極材料の開発を開始するなど、後のNICHIAの事業の基礎となるこれらの製品は、この頃から開発がスタートしています。
1993世界を驚かせた青色LED
20世紀中には困難とされていた高輝度青色LEDの開発に成功。同時に量産販売も開始。従来よりも100倍明るい青色LEDは世の中を驚かせました。翌年1994年には高輝度青緑LEDの開発に成功し、交通信号機のLED化はここからスタートしました。
1995年には純緑色LEDを開発し、実用性のある高輝度の三原色が揃い、各地に大型LEDディスプレイが設置されました。
高輝度青色LEDの発売当時の社内の様子やその用途の拡がりについては、当社ブログをご覧下さい。
1996世の中を変える白色LED
新しい技術である青色LEDと、NICHIAの創業当初の技術である蛍光体が組合わさり、白色LEDが誕生しました。照明用途、ヘッドライトのLED化、スマートフォンに使われる液晶のカラー化はここからスタートしたのです。
2001新たな世界を切り開いた青紫LD
青色LEDより更に困難とされていた青系のLD(半導体レーザー)でしたが、1995年、パルス発振に成功。1997年には10,000時間の連続発振を達成し、2001年に量産販売にこぎつけました。DVDに次ぐ次世代の光ディスクの立ち上げにも貢献しています。
2009車載用高性能リチウムイオン電池用正極材料の開発
1991年に開発を開始した正極材料が、1996年に民生品に採用され、2009年には車載用バッテリーに採用されました。これが、今の電気自動車の発展につながっています。
2015自動化社会を支える高性能磁石
電気自動車や自動化社会にはなくてはならないモーター。NICHIAはその中に使われる磁石の研究を1992年から行っていました。SmFeN(サマリウム鉄窒素)粉を使った磁性材料は錆びにくく、形状の自由度も高く小型化が可能となります。2015年、割れにくさ、耐熱性を評価され、自動車の部品に採用されました。
2019応用分野が広がるUV‐LED
2002年に完成した波長365nmの紫外線LEDは産業分野(露光、インクの硬化など)に広く使われています。
2019年に量産化した280nmの深紫外LEDは、菌やウイルスを不活化できることがわかっており、殺菌分野での応用が期待されています。
未来へ光とエネルギーで未来をつくる
NICHIAは光とエネルギーの領域でさまざまな可能性に挑戦していきます。
LEDは高輝度、低消費電力だけでなく「光の質」や「光の機能」にもこだわります。自動車のヘッドライト用LEDは安全な走行につながります。LDは照明、レーザー加工、ヘッドアップディスプレイなどさまざまな用途への展開が期待されています。
電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池、小型で高性能のモーターに不可欠な高性能磁性材は脱炭素社会に向けて重要なマテリアルであり、クリーンエネルギーの明日を切り開きます。
私たちNICHIAは明るい地球の未来をつくるため革新的な製品を作り続けていきます。
LED照明は地球環境の未来も照らす
NICHIAが発明した白色LEDは、カーボンニュートラルにおいて大きな役割を果たしていますが、UV LEDやLDと共に脱水銀にも大きな貢献をしています。
LED照明は白熱電球や蛍光灯などの従来光源と比べ消費電力を半分以下に削減できます。2030年代には世界の照明のほとんどがLED照明に置き換わると予想されています。そうなれば、従来光源が継続して使用されていた場合と比較して、10億トン以上の二酸化炭素の排出を抑制することができます。年間10億トンとは、日本が1年間で排出する二酸化炭素とほぼ同じ量です。
またLED照明は、UV LEDやLDと共に蛍光灯や水銀ランプ、ナトリウムランプなどの水銀を含有する従来光源に置き換わることによって、脱水銀にも大きく貢献します。
脱水銀社会実現に向けた当社の取り組みついては、当社ブログをご覧ください。