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光にさらなる可能性を 
エネルギーに未来を
社会の夢をかなえる先進技術

光の質、光の機能を追求NICHIAにしかできないあかりで世界を照らします

光の質、光の機能を追求
NICHIAにしかできないあかりで世界を照らします

光の質と機能に注目しての照明用LEDの研究開発と商品化を展開。例えば、⾃然光に極めて近い⾊味の光を出す「Optisolis™」や、⼈間の⼼⾝活性化にフォーカスした「Vitasolis™」、1パッケージで調⾊できる「Tunable White」といった新世代のLEDを誕⽣させています。また、ウイルスの不活化を促したり水銀殺菌ランプの代替として検討される深紫外の「UV-C LED」への期待も高まります。

UV-C LED

脱水銀社会実現、ウイルス不活化を担って

光の本質を追求し、次々に新しい技術的成果を世に問うNICHIA。一般に高品質の製品を安定供給することが難しいと言われているUV-LED(紫外線LED)においても、厳しい品質保証体制のもと、お客様に安心してお使いいただくことを最優先に多彩な商品をお届けしてきました。その最新成果が、深紫外のUV-C LEDです。波長別殺菌効果では一般的に260nmの波長が最も有効とされていますが、NICHIAは殺菌パワーの最大化と信頼性の両立という視点から280nmの波長を選択。環境負荷が問題とされている水銀殺菌ランプの置き換えによって脱水銀社会実現への一翼を担います。また、昨今の緊急課題である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しても、不活化の効果を確認しました。

脱水銀社会実現、ウイルス不活化を担って
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
20秒で99.9%以上不活性化20秒で99.9%以上不活性化99.9% inactivated in 20sec.
  • 0sec照射(1,000倍希釈)0sec照射(1,000倍希釈)
  • 20sec照射20sec照射
  • 30sec照射30sec照射
  • 非感染細胞非感染細胞

(徳島大学大学院医歯薬学研究部微生物病原学分野 野間口雅子教授 提供)
(SARS-CoV-2/Hu/DP/Kng/19-020, Genbank: LC528232は、神奈川県衛生研究所より分与)
インフルエンザウイルス(H1N1)

インフルエンザウイルス(H1N1)
40秒で99.9%以上不活性化40秒で99.9%以上不活性化99.9% inactivated in 40sec.

(徳島大学大学院医歯薬学研究部予防環境栄養学分野 高橋章教授 提供)

Optisolis

太陽光の下で見るような
自然な色合いを再現

人々の暮らしや心身にやさしい照明の新次元を拓く、NICHIAのLED。その第1弾として、2018年に開発した超高演色白色LEDが「Optisolis™」です。長年にわたり培ってきた青色LEDと蛍光体の技術を結集し、自然光のスペクトル形状に近づけることに成功。あかりを物に照らした時に、太陽光の下で見るような自然な色合いを高忠実度で再現します。また、UV放射がほぼ含まれていないため、照射物への影響を最小限に抑制。美術館や博物館などの貴重な展示品を、まさに“ありのままの色”でダメージの懸念なく鑑賞できるようになりました。これらの用途の他にも「Optisolis™」は、印刷物のチェック工程や高度医療の現場などで大いに活用されています。

Optisolis™

左:「白貂を抱く貴婦人」、右:「モナ・リザ」
※作品画像は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです

Vitasolis

⼼⾝の活性化へ、
体内時計の適正化をサポート

太陽光は、爽やかな朝の⽬覚めから夜の眠気誘引にいたる⼈間の体内時計を整えることに寄与することが既往の研究によって明らかにされています。LEDの光によってこの機能をサポート。この新たな領域に果敢に挑戦し、2019年、世界に先駆けて商品化にこぎつけたのが「Vitasolis™」です。従来のLEDの光にはほとんど含まれていなかった⻘緑⾊領域の発光を底上げすることで、セロトニンというホルモン物質の分泌を促し、体内時計の適正化をサポート。それを実現させるべく、NICHIAが培った蛍光体独⾃技術を投⼊。青緑色領域センターの480nm付近の発光を、当社従来⽐で最⼤14%向上。また、⻘緑成分が多いにもかかわらず、すっきりと⾃然な⽩⾊を実現。「Vitasolis™」は、オフィス照明を中⼼に採⽤事例が拡⼤しています。
「Vitasolis™のスペクトルと同等の照明環境において、作業者の心身の快適/ストレスの評価を行ったところ、心理・生理面で疲労やストレスの軽減、および作業効率向上の傾向が確認されております。」信州⼤学繊維学部 上條正義教授

Vitasolis™

Tunable White

調色機能に革新を
1パッケージで2つの色を混色

体内時計適正化の基本コンセプトを「Vitasolis™」と同⼀としながら、“感性”の側⾯に⼒点をおいて開発したのが「Tunable White」です。⼈間は朝起きて爽やかな⽩⾊を⾒ると気分がリフレッシュし、夕方に暖かな色を見ると気持ちがリラックスするという研究結果に則り、⽩⾊と電球⾊の2⾊を1つのLEDパッケージで混⾊する機能を持たせました。
従来⼿法が2⾊のLEDを並べて混⾊していたのに対し、「Tunable White」は1パッケージ構成なので基板はもちろんリフレクターやレンズなどの2次光学系も極めてシンプルに。⼤幅なコンパクト化を実現し、設計の⾃由度も一気に上がりました。省資源の⾯でもSDGs時代に合致した「Tunable White」の需要は、ホテルや住宅、オフィスのリラックススペースなどの調⾊灯具⽤としてますます拡⼤しています。

6500K

6500K

2700K

2700K

NICHIAならではの、最適な粒子設計未来を動かすエネルギーを開発中です

NICHIAならではの、
最適な粒子設計
未来を動かすエネルギーを開発中です

蛍光体のトップメーカーとして培った粉体合成技術をコア技術として、SmFeNを用いた磁性材料を原料から一貫製造しています。NICHIA独自の合成プロセスを施した最適な粒子設計により、車載用部品や、家電製品、産業用ロボット用など拡大するモータ需要に幅広く対応します。

NICHIAの揺るぎない信念を、このカタチにSmFeN磁性材料

SmFeNに寄せるNICHIAの変わらぬ想い

蛍光体で世界No.1シェアの実績を重ねてきたNICHIA。そこで培った粉末合成技術を最⼤限に活かすべく、約30年前に挑戦した磁性材料がSmFeN(サマリウム鉄窒素)です。磁性材料の主流NdFeB(ネオジウム鉄ボロン)にあえて背を向け、NICHIAがSmFeNを選択したのは類いまれなトータルパフォーマンスでした。
現在、磁性材料の主流はNdFeB磁⽯ですが、産地が中国に⼀極集中するNdFeBの供給・価格⾯での不安定さが懸念されています。そこで着⽬したのが、SmFeNのボンド磁⽯です。
磁性粉末に10%の樹脂を混合して射出形成するSmFeNのボンド磁⽯なら、さびにくく、割れにくい。耐⽔・耐熱性にもすぐれ、形状⾃由度も⾼い。まだまだ認知度は低いSmFeNですが、NdFeBにとって代わることができるポテンシャルがあると信じています。

トータルパフォーマンスの良さが、
時代と共に明らかに

NICHIAが確信し続けたSmFeNのメリットは、時代の変遷と共に明らかになっています。例えばHDDのスピンドルモータ需要が高まった時代には、SmFeNボンド磁石ならではの形状自由度が大きく貢献。自動車のEV化やロボット社会の到来を見据えると、SmFeNボンド磁石ならではのパフォーマンスを活用した小型モータはますます利用範囲を広げる勢いです。

SmFeN

SmFeN

NdFeB

NdFeB

SmFeNの採用実績
SmFeNの採用実績