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豊田合成社との和解の件

豊田合成株式会社
日亜化学工業株式会社

豊田合成株式会社(本社:愛知県西春日井郡春日町、代表取締役社長:松浦剛、以下、「豊田合成」という)と、日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、代表取締役社長:小川英治、以下、「日亜化学」という)とは、2002年9月17日、青色発光ダイオード(LED)に代表されるⅢ族窒化物系半導体の技術について、互いに相手方が所有する全ての特許権等を尊重し、両社間で約6年にわたって繰り広げられたすべての訴訟等を終結させ、かつ将来における新たな係争を予防ないし適切に解決することについて下記の内容を骨子とする和解合意書を締結いたしました。
青色発光ダイオードは、世界的に見て名古屋大学工学部の赤﨑勇教授(現・名古屋大学名誉教授、名城大学教授)の先駆的かつ基本的技術がベースになって開発されて参りました。豊田合成は、1986年、赤﨑勇教授の指導と豊田中央研究所の協力を受けて、窒化ガリウム(GaN)をベースとした青色LEDの開発に着手、翌1987年には、科学技術振興事業団から青色LEDの製造技術開発を受託し、1991年に成功認定を受けました。そして、1995年10月に高輝度の青色LEDの量産を開始し、その後も次々と新製品を開発し市場に投入してきました。 一方、日亜化学は、1989年に青色LEDの開発に着手、1991年に窒化ガリウム系青色LEDの工業化技術を確立しました。そして、1993年11月には、世界で初めて高輝度の青色LEDの量産化に成功。さらに、蛍光体専門メーカーである特長を生かし、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体と青色LEDとを組合せ、1996年に、世界で初めて白色LEDの開発・量産化を実現。その後も次々と新製品を開発し市場に投入してきました。 以上の経緯から明らかなように、主として日亜化学及び豊田合成による技術開発競争を通じ、青色LEDの発光輝度や生産効率がめざましく向上し、その結果、フルカラーディスプレイ、信号機、携帯電話用バックライト、車載照明や室内照明などに応用されるようになりました。今後はDVDプレイヤー用のレーザーや、地球温暖化防止・省エネルギーの観点から照明への適用、ブロードバンド時代に要求される高速通信用デバイスの開発実用化が期待され、将来的にも、巨大な市場へと発展することが予測されています。
今後は、市場における公正な競争を通じて、日本で生まれた先駆的技術をさらに発展させていく所存です。

1.両者は、相手方に対し、自社の保有する特許に基づく製造・販売の差止請求や損害賠償請求等をしない。

2.両者は、相手方に対し、相手方が現在保有する特許(訴訟の対象となっている特許を含む)に関して、損害賠償金(和解金を含む)の支払義務や自社製品の製造・販売の中止義務を負わない。

3.両者は、両者間の全ての侵害訴訟、無効審判及び審決取消訴訟を取り下げる。

4.両者は、将来の製品につき相手方の将来の特許を実施する場合、合理的な料率の実施料を支払う。

5.YAG蛍光体を用いた白色LEDに関する日亜化学の特許について、豊田合成は、日亜化学に対し、当該特許を実施するYAGを用いた将来の製品につき、両者で合意した実施料を支払う。

本件に関するお問い合わせ先

日亜化学工業株式会社
広報担当
代表TEL:0884-22-2311
FAX:0884-23-7752