2018.1.25
白色LEDの新たな幕開けとなる超高演色白色LED『Optisolis™』を上市
日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、社長:小川裕義 以下「当社」)は、照明用LEDの新商品として、青色光を励起源として用い、基準の光 (注1) のスペクトル形状に近づけた超高演色白色LED『Optisolis™』(オプティソリス)を2018年2月から量産出荷いたしますのでお知らせします。 (注2)
【開発背景】
当社は、1993年に世界で初めて青色LEDの量産技術を確立し、1996年には青色LEDの上に黄色のYAG蛍光体を重ねるという蛍光体メーカーとしての独自の発想を生かした白色LEDを開発し、以後世界の固体光源としての光半導体市場をリードしてまいりました。白色LEDは、省エネルギー・省スペースであるため、あらゆる用途への普及が進んでおり、世界中に光の革命を起こしてきております。
一方、人間が火を光源として使い始めて以来、「あかり」は欠くことのできないものですが、高い発光効率だけが求められる特性のすべてではないことも事実です。そこで、当社は、「あかり」としての光の質をさらに改善し、より自然な光に近づけるべく超高演色白色LED『Optisolis™』を開発いたしました。
【特徴】
『Optisolis™』は、当社が培ってきた青色チップと蛍光体の技術を用いることで、効率よく、基準の光のスペクトル形状により近づけることに拘った白色LEDです。図1のようにスペクトル形状が近づくことで、あらゆる色味を基準の光の下での色味に忠実に再現することができると考えられます。演色評価数についても、図2のように、現在、一般照明で広く使われている演色性の高い従来商品に比べても(当社比)、大きく改善しております。またUV放射がほぼ含まれないことでそれを含む光源に比して、照射物の劣化を最小限に留めることができるものと考えております。
『Optisolis™』は、照射物の損傷への影響が少なく、色を忠実にみせることが望ましい博物館、美術館照明や、色の忠実な再現が必要な色評価用照明(例:塗装評価、印刷物評価)及び商業用照明などに特に適していると考えております。
当社は、引き続き、本来の「あかり」としての光の質の向上に努め、将来的には、一般照明(住宅用)を含む、幅広いアプリケーションへの展開を目指しております。
図1.発光スペクトル (注3) の一例 (T S 25°C)
発光スペクトルの形状について、Ra≥80は基準の光に比べ、480nm付近及びRed波長域(≥620nm付近)が不足していますが、Optisolis™では大きく改善しています。
図2.演色評価数 (注4) の一例 (n=1)
演色評価数について、Ra≥80よりもOptisolis™は大きく改善しております。(サンプル品の測定結果であり、保証値ではありません。)
(注1)基準の光:JIS Z 8720 (測色用の標準の光及び標準光源)の3.4に定める完全放射体の光又はCIE昼光
(注2)この超高演色白色LEDに関する技術は、2016年3月にアメリカで開催されたPhosphor Global Summit(フォスファーグローバルサミット)で初めて業界に紹介されました。
(注3)発光スペクトル:原子又は分子が励起状態から、エネルギーのより低い状態へ遷移することによって放出される光のスペクトル
(注4)演色評価数:演色性を数値として評価する方法を国際照明委員会(CIE)が定めている。試験色として15色の物体色が定められており、基準の光で照射した場合と試験光源で照射した場合の色ずれ量が数値化されている。基準の光の下での色の見えかたをどれだけ忠実に再現しているのかを表し、100が基準の光との色ずれがないことを示す。
(ご参考) 表1.製品仕様一例
型式 | I F | V F | 電力 | 光束 | 発光効率 | 色温度 | 色度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
[mA] | [V] | [W] | [lm] | [lm/W] | [K] | x | y | |
NF2W757G-F1 | 65 | 2.9 | 0.19 | 23 | 122 | 5,000 | 0.3447 | 0.3553 |
日亜化学工業株式会社
広報担当
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