2024.7.31
DSSによる特許収益化の企てに対して、日亜が勝利
2024年7月12日、カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所(以下、「CDCA」)は、DSS, Inc. (旧Document Security Systems, Inc.)(以下、「DSS」)が日亜化学工業株式会社及びNichia America Corporation(以下、併せて「日亜」)を被告として提起していた特許侵害訴訟について、再訴できないものとしてDSSの訴えを却下するとの決定を下しました。なお、DSSは、LED製品の販売事業を行っていません。日亜は、本決定(現在控訴が提起されております)により、訴訟ファンドより資金提供を受けたDSSによる日亜に対する、一連の侵害訴訟が収束に向かうであろうことを報告いたします。
2016年11月14日、DSSはBrickell Key Investments LP(以下、「BKI」)と契約を締結し、BKIはIntellectual Discovery Co., Ltd.が保有するLED特許ポートフォリオに関する特許権の取得及び収益化に対して総額1,350万ドルを資金拠出しました。その後、2017年12月7日、DSSは日亜に対して、CDCAにおいて特許侵害訴訟を提起し、多数の日亜LED製品が米国特許第6,949,771号、第7,256,286号、第7,524,087号、第7,652,297号、及び第7,919,787号を侵害していることを主張しました。日亜は、米国特許商標庁特許審判部(以下、「PTAB」)におけるinter partes review(以下、「IPR」)、連邦巡回区控訴裁判所(以下、「CAFC」)におけるIPRの決定への控訴審の手続き、及びCDCAにおける申立手続きを経て、2023年後半までにこの第一次訴訟の完全な却下を勝ち取ることができました。
上記の第一次訴訟が功を奏しない中、2019年9月20日、DSSは日亜に対して、米国特許第6,879,040号(以下、「040特許」)の侵害を主張する第二次特許侵害訴訟をCDCAにおいて提起しました。同訴訟では、日亜は当初から、040特許は実施不可能であり、明らかに無効であると主張しました。その後、日亜が提起した040特許のIPRにおいて、PTAB及びCAFCは、日亜の見解を裏付ける形でクレーム解釈を行いました。IPR終了後の2024年7月12日、CDCAは、クレームは無効であるとして、日亜の訴え却下の申立てを認めました。
DSSは、7年近くにわたり日亜を相手とする訴訟手続を継続しておりますが、その訴訟における主張の実体やその保有する特許の価値はそれに値しないものです。日亜は、原告の本来の事業運営と切り離された形で、主張の実体とは無関係に、外部の資金提供者が特許訴訟を煽る、この種の収益化の企てに強く反対します。
日亜は、特許訴訟が、競合他社と技術的な差別化を図り、または研究開発投資へのタダ乗りをする者から補償を求めたりするための適切な手段になりうると考えています。しかしながら、日亜は、自社が開発した技術に誇りを持っており、不当な特許訴訟には断固として対抗する所存です。本件は特に、特許権侵害の主張が根拠を欠く場合には、長期の法廷闘争を経るとしても妥協しないとの日亜の決意を示すものです。
日亜化学工業株式会社
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